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歯のコラム:シオノデンタルクリニック

シオノデンタルマンスリーコラム

○歯のコラム 2018年8月 
【ブラッシングは夜の1回でも大丈夫?】

 

 直近の歯科疾患実態調査では、毎日2回以上歯を磨く者は77.0%、毎日3回以上歯を磨く者は25%いる一方、毎日1回の者は約18%と報告されています。このように、1日3回以上の者が増加傾向にあり、また、1日2回以上のブラッシングが一般的していると言えます。

 口腔内に蓄積したプラークは成熟し、う蝕・歯周病原性をより強くします。プラークは歯石の原因にもなります。ブラッシング回数が増えれば、プラークが除去され口腔環境が改善されます。しかしながら、多くの調査は、ブラッシング回数とう蝕予防効果との関連性を明確に示すまで至っていません。理由の一つは、フッ化物応用などの有力なう蝕予防手段の影響のない状況下での調査が困難なためです。ただし、歯磨剤に配合されたフッ化物を歯に作用される手段として、ブラッシングの有効性は認められています。

 一方、歯周疾患予防との関連性については、「良い歯肉の状態」を保つために1日2回以上のブラッシングが重要であることが示されています。また、50年分の歯科疾患実態調査の統計処理から、「1日2回以上歯を磨く者の増加」と「一人平均喪失歯数の減少」との間に相関関係が示されました。1日2回以上のブラッシングが、歯の喪失を防ぎ、口腔の健康に大きく貢献する可能性が読み取れます。

 全身の健康との関連について言えば、すでに歯周疾患が生活習慣病の増悪に関与することが示され、また、ブラッシング回数と生活習慣病予防に関する最近のコホート研究は、毎食後のブラッシングが糖尿病等の発症を抑制する可能性を示しています。

 以上のことから、毎食後のブラッシングによるプラーク除去作用は、その回数だけでは、時間、技量、ブラッシング圧、歯ブラシの形状、歯磨剤使用の有無等の影響を受けますので、回数の指導だけでなく、適切なブラッシング方法や歯磨剤の使用等についても指導することが重要です。

 

 

 

シオノデンタルクリニック 歯のコラム 2018年8月掲載分

 

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